これからの時代に必要な「患者力」

ホリスティック医学協会発刊の「HOLISTIC」。

その中で、日本でも統合医療の大家として知られる

川嶋朗先生が日本の医療費のこと、主体性を持って医療と向き合うこと

これからの医療が目指すあり方について述べられていました。

（以下　「なぜ今、ホリスティック医学（統合医療）なのか？」から抜粋）

今、少子高齢化による西洋医学の医療費高騰が深刻な問題として注目されています。…

現在の医療費は６５歳以上で約５５％使っています。

このペースで医療費が拡大すれば、２０２５年には国民医療費は５６兆円に達することになるといいます。…

これが日本の現状です。

こんなことを続けていたら到底赤字国債など減ることはありません。

いつか日本は滅びてしまいます。

ではどうすればよいのか？

それは病気にならないこと、すなわち予防です。

私は、日本に暮らし、日本で医療サービスの恩恵を受けて生きている

すべての人に、もっと意識を変えてもらいたいと考えています。

医療費の無駄遣いを他人事のように考えるのではなく、

一人ひとりが病気そのものを遠ざける生き方を考え、

本質的に医者に頼らない生き方を目指す。

それが結果的に、いまよりもっと「よく生きる」こととなり、

また医療サービスの質の向上につながることになっていくからです。

主体性を持って医療と向き合う

病気になってしまった人には、必ず原因があります。

とくに生活習慣病やがんなどは、生活習慣の乱れ、考え方、

生き方が原因になっていると考えています。

暴飲暴食、不規則な生活、運動不足、冷えのこと、人間関係のストレスなど

何か原因があるはずなのです。

医者はたしかに医学・医術のプロですが、

自分の体の具合を一番理解できるのは実は患者さん自身です。

医師の本来の役割は、

患者さんが病気とどのように向き合うかをサポートすることだと思っています。

そこで、私は本人が主体性を持って医療と向き合うために必要な

患者としての能力を次のように分類してみました。

【５つの患者力】

１．知る力

　からだの仕組み、病気のこと、薬のことなどをきちんと知ろうとする。

２．見抜く力

　対等な関係で向かい合い、自分の知りたいことをきちんと聞ける医者を見つける

３．自己治癒力

　自分の受ける医療を医者任せにせず、自分はどうしたいかということを

　主体的に考え、自分で選択、判断できるようにする。

４．自己治癒力

　対症療法で一時しのぎをするのではなく、

　病気を根本的に治すために考え方や生活習慣を変え、

　自分のなかの治癒力を見直す。

５．往生力

　納得いく死を迎えるために何をしておいたらいいかを考え、

　実践し、後悔のない人生の幕引きに備える。